バロック要素を携えた中世ゴシック様式の教会

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https://vr-factory.com/pano_files/church_of_st_james/index.html

2015年にIVRPAのカンファレンス(年次総会)がチェコ共和国のプラハで行われ、それに参加した時に撮影したパノラマです。カンファレンスのプレゼンテーションは3日間あって、それとは別にエクスカージョン(遠足)も日程に組まれているのが、このカンファレンスのルーチンでした。

チェコ共和国の首都プラハから車で1時間ぐらいの場所にあるクトナー・ホラという街にこの聖ヤコブ教会(Church of St. James)はあります。クトナー・ホラは13世紀に銀鉱脈が発見されたことで一時期栄華を極めました。この町で一番人気の観光スポットは聖バルバラ教会、あるいはセドレツ納骨堂でしょうか。その派手さ、インパクトには少し届かないかもしれませんが、この聖ヤコブ教会の中世ゴシック様式の教会建築も、とても素晴らしいものです。

このパノラマ、実は私はあまり気に入っていないのです。クオリティがイマイチで。撮影機材はSONY α6000とSamyang 7.5mm F3.5 FISH-EYE。このレンズは本来マイクロフォーサーズ用なのですが、マウントをSONY E-mountに改造して、樹脂製のレンズフードを削り落として、APS-Cカメラに装着して水平分割撮影だけで全球包括できるようにしていました。が、水平4分割撮影で一応は全球包括するのですが、元々このレンズは性能が宜しくなくて、イメージサークル周辺部の画像は流れまくるシロモノ。コンパクトで気軽に持ち出せる良さはあったものの、使うたびに画質の低さが気になる、精神衛生上はまったく宜しくない機材でした。当時はまだコンパクトで優秀なパノラマ撮影機材はなかったのです。

で、このパノラマは、水平6分割と天頂(真上)1枚の合計7枚でスティッチしています。撮影枚数が多いのは、少しでもレンズの欠点をカバーして画質を上げようと足掻いたからです。そして、この時はマルチROW式のパノヘッドじゃなかったので、真上は視差が生じることを承知でラフに撮影したものです。2015年当時のPTGuiではこの真上のショットをうまく扱うことができませんでしたが、現在のPTGui Pro 13 β5ではそれほど苦労することなくそこそこきれいに繋ぐことができました。技術の進歩、進化は素晴らしいですね。Joostに称賛を!

余談になりますが、IVRPAは、今は「International Virtual Reality Professionals Association」と名乗っていますが、2018年の東京カンファレンスの頃までは「International Virtual Reality Photographers Association」だったのです。名前が変わると、組織も変わってしまい、結局私は参加し続けることに意味が見いだせなくなり脱退しました。デジタルパノラマの黎明期を支えた世界中の達人たちも、ほとんどが抜けてしまいました。まぁ、360°パノラマの技術的な進化はすでに停滞期に入っているので、こういうものなのかもしれません。あはは